退職時の年金戦略
昨年12月に会社勤めをやめ,個人事業主になった.5ヶ月たって やっと退職関連の手続きが終わったので,なんでこんな面倒なことになったのかメモっておく.
はー長かった…
企業年金の移換に時間がかかった
会社員だと 企業年金や厚生年金基金の積立をしている場合がある.これを個人型の確定拠出年金(DC) に移換しようとしていたため,ものすごい時間かかった.
なんでそんなことしたの?
雑にいえば,税金を取られたくなかったから.
退職時点で 規約型企業年金と企業型確定拠出年金の積立があった.勤務中に年金制度が変わったためにいろんな年金が混ざっているが,
- 企業年金 → 退職一時金として全額もらうか,個人型DC に移換できる
- 企業型DC → 個人型DC に移換
前者には選択肢があるが,会社の担当者いわく「みなさん,ほとんど一時金を選択します」とのこと.それ終身雇用の名残なのでは… よく考えないと 自分にあってるかわからないよ? 損するかもよ?
退職一時金を選んだ場合
国民年金と厚生年金の上の3階部分なので 額は大きくないかもしれないが,それでも勤続年数が長いと100万のケタに乗る場合がある.それを受け取ってなにかの資金にするのもアリだが,問題はガッツリ税金をとられること.
退職一時金は退職所得なので,退職金と合算の上 源泉徴収される.所得が増えるので,翌年の住民税が高くなる.
自分の場合は160万の原資に対して,源泉徴収分だけで10% ほど持っていかれる計算だった.
個人型DC に移換する場合
現金が少なくなるのはイタいが,積み立てた原資をそのまま移せる.所得にならないので 翌年の住民税を抑えられる.
自分の場合は150万の使いみちが決まってなかったし,収入が不安定になるから老後とかめちゃくちゃ心配だし,年金運用の資金を少しでも増やすためにこっちを選んだ.
税金って言っても,たかだか15万円とかでしょ?
個人型DC は課税を繰り延べできるので 複利で効いてくる.仮に年5% で運用できたら,30年後には
- 原資 145万円 → 145 x (1.05 ^ 30) = 626万円
- 原資 160万円 → 160 x (1.05 ^ 30) = 691万円
65万円のちがいになってる計算.目減りさせないことが鉄則なのです.
繰り延べと言っても,いまの制度だと公的年金と同じ控除 が受けられるので 受給時には税金がかからない可能性もある.
もちろん65歳までに死ぬかもしれないし,運用成績がマイナスになる可能性もあるが,まあそこは目をつぶろう.
まとめ
会社勤めからフリーランスになった場合,もしすぐ現金を必要としてなかったら,企業年金とか厚生年金基金は個人型確定拠出年金に移換したほうが有利そう.
ちなみに,よく知らないが転職の場合も同じように選択できるはず.